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一口腔単位の治療へのこだわりは、患者さまに健康を提供することへのこだわりです
当院のこだわりは、目先の治療だけで終わらせない一口腔単位の治療です。歯は単体で機能するものではなく、噛み合う歯との関係が重要です。また、例えば右側の歯が痛ければ左側ばかりで噛むようになり、そこに負担が集中して歯の寿命を縮めます。
このようなことを踏まえてお口の中全体の状況を考えた治療を行うことが、「一口腔単位の治療」です。
勤務医時代の教えに感銘を受け、一口腔単位の治療を行っています
私は当院を開業する前の勤務医だった頃に、この「一口腔単位」という理念を教わりました。虫歯の痛みを取り去ること、欠けた歯を補修することはもちろん重要ですが、それだけで終わっていては患者さまに健康を提供したことにはなりません。
問題が起こった原因にアクセスすることや、治療後の影響も考えることがとても重要です。痛みの緩和や被せ物などの製作、歯周病の治療や予防、噛み合わせの調整、全てができてこその「歯科医師」なのだ、という教えを大切にして、当院の理念として引き継いでいます。
患者さまのお役に立てる医療を提供できた時にやりがいを感じます
お口の中はそれほど大きな空間とは言えませんが、患者さまごとに状態は違っており、お望みの治療も実にさまざまなため、一つとして同じ治療はありません。
そんな中で患者さまが思う治療にしっかりお応えできて、歯科医師としても良い治療が提供できたと感じる時には大きなやりがいを感じます。
歯科治療は1日で結果が出ないことが多くあります。数カ月、数年というお付き合いの中で、患者さまが状況の改善を実感されて「ここにきて良かった」と言っていただけたときが何よりの喜びです。
特別な意識を持たず、同じ立場で接することを重視しています
歯科医師は「先生」などと呼ばれますが、ごく特定の範囲に関する知識や技能を持つだけの存在で、特別なわけではありません。とはいえ患者さまが持ちえない知識の提供や、「健康」という状態に導くことを義務とする立場ですから、「客商売」という意識ばかりが先行するのもいかがなものかと思います。
そのような意味で、患者さまの痛みやお悩みに寄り添いつつ、同じ人間としてフレンドリーに接することが重要だと考えています。
また、患者さまのプライバシーに配慮するためにご説明の多くはカウンセリングルームを使っています。わかりやすい説明をするために、視覚資料も活用しています。
歯周病は治療しなければ改善しない病気だということを共有します
歯周病に対してはいくつかの誤解があると日々感じています。まず、歯周病は歯ぐきではなく、骨の病気である、ということです。徐々に骨が溶けることで、その外側にある歯ぐきが減っているように見えるのです。歯ぐきは再生しそうなイメージを持つ方が多いようですが、一度溶けた骨は自然に戻ることはありません。ダメージが浅いうちに治療することが大切です。
もう一点、歯周病がご年配の方の病気であるというのも誤解です。日本では20歳代の方の多くも歯周病になっているのですが、症状が出るまでに期間があるため、中高年になって気付く人が多いのです。ですから若いから大丈夫と思わずに、まずは検診を受けてください。
インプラントは他の歯に負担をかけないためおすすめしています
歯を失った場合、入れ歯、ブリッジ、インプラントの3種類の対応策があります。部分入れ歯は残存歯にクラスプをかけることで負荷を与えますし、総入れ歯は徐々に歯ぐきや骨が痩せていってしまいます。ブリッジは隣の歯を削ってかける方法なので、やはり周囲の歯に負担をかけます。
インプラントは、周囲の歯に負担をかけずに埋入することが可能です。その上、噛む力が天然歯に近いので、口腔内のバランスが崩れることもありません。一口腔単位で考えたとき、インプラントは優れた治療だと言えます。
より多くの患者さまに対応して地域に貢献したいと考えています
当院としては、特に大きな展望を持っているわけではありません。ただ、地域医療に貢献するものとして、より多くの患者さまの痛みやお悩みに寄り添い、それにお応えできるように励みたいと考えています。
また、歯周病に対する認識はまだまだ誤解が多いので、予防の重要性を伝えていきたいと思います。「虫歯になっても削って被せれば済む」という考えも歯を失う可能性を高めますので、まずは虫歯にならないことの意義も説明を続けていきます。